再生可能エネルギー 地域利用の実例
静岡県東部の長泉町に設置されている標記の水車群は、防災・福祉利用&地域活性化型の小水力発電所としての機能を有しています。
行政機関や水利権者、地域住民の理解の下で設置・運営されています。
(1)平常時は売電して収益の一部を地域活性化資金として還元しています。
(2)常用電源喪失時には一般への給電という概念を現実のものとしています。
近隣の防災拠点に置く‘災害時給電ステーション’
行政・地域住民と協働した‘在宅医療機器への電源宅配’
など、地域再エネ活用を具現化しています
(3)加えて、観光拠点、教育拠点としても着目されています。
緊急時地域電力供給機器
地域給電ステーション
災害発生時・停電時の独立運転時に小水力発電と接続。半径300m以内で電気を自由に利用可能。
平常時は防災倉庫に格納。
緊急時は自治体もしくは町内会の判断で接続。
自治体との電力供給協定により、緊急時利用電力は全量無償提供。
緊急時展開バッテリー
水力発電機内に各6台が常時充電自治体と社会福祉協議会がカギを保管。
緊急時には社会福祉協議会と地域ボランティアが在宅医療機器利用者宅に配送する。
100W出力で4時間稼働可能。四時間以内に救急来援ができない場合は、交換バッテリーを再度配送
定期防災訓練等にも利用し地域コミュニケーションの構築にも利用している。

しっかりと、地域に「おカネ」が落ちる仕組みに
ニコニコ水力発電所で発電された電気は、売電しその収益を設置事業者とともに、
水利権者である土地改良区の方々に加え、設置地域町内会の祭典費用等にも「地域活性化資金」として還元しています。

発電設備の製作と設置工事は地域の企業が行ない、水車の羽根はその地域から発生した間伐材を使うことにより、
新たな地域産業が生まれます。

しっかりと、地域が「利用」できる仕組みに
移動式の給電装置で、災害時に地域への電力供給ができるようになりました。
自主避難場所の自由電源として、炊飯や情報調達手段のスマホ・パソコンの充電に利用できます。

建設中の4号機では災害停電時の独立運転電力は、隣接する福祉避難所の分電盤に直接給電し、
福祉避難所の機能維持電力としても利用されます。

しっかりと、「助け合える」仕組みに
小型の携帯式バッテリーパックが発電設備に内蔵され、災害時には在宅医療機器利用者へ配布します。
ニコニコ水力は、災害・停電時に地元の方が孤立しないよう活用されています。

しっかりと「学び 発信する」仕組みに 環境ESDによる発信
環境ESD(持続可能な社会づくりの担い手を育てる教育)
私達は「環境教育に取り組みたい」「小水力発電の活用方法を告知したい」という希望を持っていました。
そこで環境省・関東ESDセンター・関東地方環境パートナーシップオフィスから支援を受け、連携してプロジェクトを進めてまいりました。
地元の高等専門学校の生徒と共に水力発電の説明をわかりやすく伝えるパネルを作成しました。?参加した生徒からは「あらためて地域の多彩な課題に気がつき、注目するようになった」という声があがりました。


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